自室に入って、明日香に返信をした。
明後日、一緒にランチをする事になった。

 1日は、来なくてもいいと言われたが、一緒に出勤した。
 保管している資料などを整理しようと思ったからだ。
 正式?な出勤ではないので、動きやすいカジュアルな服装できた。
 資料が詰まった棚の前で、早速整理を始める。
 先ずは年数別に分けていく。
ああ、やっぱり、「支社が出来たのって、4年前なんですね。」
「ああ、そうだけど、何で?」
「だから、知ってたんだなぁって。」
「何を?」
「私の事、支社長、言ってたじゃないですか、私の事、5年前に会ってるって、、5年前は、本社に居たって事でしょう。。だから、あの店舗にも来てたってことですよね。」
「まぁ、そうだな。」
 資料を並べ替えながら、ふと、思いついた。
「もしかして、林さんと来店してましたか?
あっ、おじさんのほうです。」
そう言うと、彼はフッと笑って、「元々、伯父さんに紹介されたんだよ、愛実のこと。」
えっ、そうなの。だとしたら、覚えててもいいはずなのになぁ。

 「ああ、だめだぁ、やっぱり思い出せない。」
「別に、思い出して欲しいとか、思ってないけど。」
「ええぇ、思い出して欲しいから、あんな事いったんじゃないの?」
「さぁ、自分でも良く解らないけど、ただ、単にお見合いを断らなかったのは、多少、知ってる人だったからって言いたかっただけだ。」

「ああ、そういう意味だったんですね。そっかぁ、確かに、全然知らない相手よりは、ハードルが下がりますね。」

 5年前の事は、あまり思い出したくなかった。それでも、気になって聞いてしまった。
「良く、覚えてましたね。私のこと。普通、レストランの店員なんて、いちいち覚えてないでしょう。」