お見合いですか?

 すぐ失恋した俺は、わずか3ヶ月で部活を辞めた。
 そして、傷心の俺の心を癒やしたのは、やっぱり保健の養護教員だった。
まぁ、暫く保健室に入り浸ってたものの、彼女が婚約すると聞いてから、全く行かなくなった。
 そして、高校2年生になった。
部活に入ってないからという理由で、生徒会に入らされた。まぁ、2才上の兄貴が前年に生徒会長をやっていた、というのも大きいだろう。
出来る兄貴を持つと、厄介だ。
 
 そして、出会ったのが、やっぱり先輩の副会長だった女の子だった。
結構、いい感じに仲良くなって、思い切って告白したけど、当時の会長が好きだと言われ、撃沈した。それでも、彼女の片思いだから、なんとかなるかもしれない、そう思って頑張ってみたけど、結局彼女は卒業してしまった。
 それで、思ったんだよなぁ。俺って、自分から好きになると、いつも上手くいかないって。

 遠くで、アラームの音がして、現実に戻った。ビクッとして、慌てて辺りを見回す。
すると、ガタッと音がして、アラーム音が止んだ。ああ、愛実がかけてたんだろう。
そう、理解すると、パソコンの電源を落とし、休憩スペースへと向かった。
 そこには、まだ、眠気と戦っている愛実がいた。
「もう、起きたか?居ると思わなくてびっくりしたぞ。」
「ああ、すみません。もう、戻ってたんですね。」
「ああ、もう帰るから、支度して来い。」
「はい。あっ、給湯室、片付けてから、行きます。」
「分かった。じゃあ、鍵締めて来てくれ、下で待ってる。」そう言って、鍵を渡した。

 「お待たせしました。」そう言って、彼女は助手席に座った。
「大丈夫か?」問いかけると、少し首を傾げてから、「ああ、大丈夫です、ちゃんと鍵かけて来ました。」と言った。
少し笑ってしまった。すると、ちょっと怒った顔で、「何でわらうんですか?」と言ってきた。
「いや、疲れてるみたいだから、大丈夫か?って聞いたんだけど。」そう言うと、「そうだったんですね。」と言いながら、俯いた。