「本当に聞きたいですか?」
翌日、夕飯を食べながら、悠斗さんに訊いた。
元彼の話しを、同棲相手に話すって、どうなんだろう。
 昼休みに、有希さんに相談したら、「言わなくていいんじゃない、あまり聞きたいとも思わないけど。」と言われた。
だから、確認してみた。

 「まぁ、あまり気分のいい話じゃねーけど、、ただ、5年前にあんなに引きずってた男と、よりを戻したいって以外に、なんの話があるのか、気になる。」

 ああ、そうか、彼は、5年前の私を知ってるのか。唐突に思い出した。

「うーんと、元彼には、感謝してるの。私がホール主任してた時に、色々悩んでて、それを聞いてくれたのが、その当時の副店長だったんだけど、私、仕事の出来る、年上の男の人が好きみたいで、まぁ、好きになっちゃったんです。」
「ああ、そんな感じする。俺の事も、一緒に仕事してなかったら、好きにならなかっただろ?」
「まぁ、そうかも。・・でね、その副店長は既婚者だったから、だから、絶対に自分の気持ちはバレちゃいけないって、隠してたつもりだったんだけど、、元彼にはバレてたみたい。
それで、副店長のこと好きだろ?って聞かれて、なんとかごまかそうとしたんだけど、出来なくて。。結局、付き合う事になったんだよねー。」
「何で、付き合う事になるんだ?」
「うーんと、確か、お前、副店長に誘われたら断れるのか?ってきかれて、断れるわよって言ったら、無理だろって鼻で笑われてさぁ、ムカついたから、じゃあ、どうしたらいいのよって言ったら、俺と付き合えばいいって言われたんだっけなぁ。」