目を瞑って、暫く経った頃、彼女が、此方に寝返りをうった気がした。
向き合う形で「悠斗さん・・」と呼ばれた。

 「ん?」うとうとし始めた感じだったので、怠そうに応えてしまった。
彼女は、暫く迷った後、「不安なんです。」と言ってキスしてきた。。

 彼女から求めてきたのは、初めてで、眠気もふっとんだ。
好きな女に求められて、嬉しくない男はいない。
しかも、今日の彼女は何時もより積極的で、マジで興奮した。
おかげで、暴走したかも。
「愛実、今日の愛実すげー可愛かった。」
疲れているであろう彼女を、ギュウギュウと抱きしめた。

 少し、ぐったりしながらも、照れてはにかむ彼女が、愛しくて堪らない。
 布団を整えて、眠る前に「安心した?」と、訊いてみた。
彼女は、少し戸惑ったあと、こくんと頷いた。
「そうか、ならいいけど。・・まぁ、これで平日解禁だな。」少し笑ってみせた。

 恥ずかしながらも、彼女は「仕方無いですよねぇ。」と、はにかんだ。
今まで、それとなく平日は断られてきたが、今日は彼女から求めてきたのだ、これからは、週末まで耐える必要もなさそうだ。

「俺も不安な事があるんだけど。」
「え?なんですか?」
思い切って話す事にした。
「先週の木曜日、愛実がパーティーに招待されてた日の夜、男と電話してたろ?相手って元彼?」
愛実は、驚いた顔で、俺を見た。