お見合いですか?

 お薦めらしい、トマトソースのハンバーグランチを食べながら、明日香が聞いてきた。
「本当に、旦那さん絡みだった?」
「まだ、結婚してないんだけど。まぁ、・・彼絡みよね。」
唐揚げランチをつつきながら応えた。

 それから、昨日大手コンビニ本社で見た事を話した。
「へー、それで、その人が元カノだって確認したの?」
「いや、まだ、何も聞けてない。」
あの後、何も聞けなかった。
普通に会社に戻り、普通に仕事した。
帰宅した時には、もう普段通りで、話題を蒸し返す勇気はなかった。

「なんか、上の空って感じだったんだよねー。昨日のあの人。」
「取り敢えず、ちゃんと確認したら?愛実は思い込みの激しいところがあるから。」
「えっ?そうかなぁ?自分じゃ冷静な方だと・・・」
「んー、私、愛実のこと冷静って思った事無いけど・・まぁ、もう何年も会ってなかったわけだしね。社会人になってから変わった部分もあるだろうけど。基本的に思い込んだら一途っていうか・・周りの意見聞かないよね。」

「明日香って高校の頃からそう思ってたの?」
「まぁ、近いことは、」
「頭良かったもんねー。」
それから、高校の頃の話で盛り上がった。

 食べ終わってから、パーティー会場へ向かった。

 パーティー会場は、そのビルの3階だった。
だが、明日香は2階でエレベーターを降りた。
どうやら、2階はショーケースがあり、そちらは持ち帰り専用の窓口らしい。
早速カメラを取り出し、ショーケースを写真に収める。
私は、荷物持ちをしていた。
まぁ、仕方ない。そういう約束で招待状を貰ったのだから。