お見合いですか?

 「明日香、お待たせー、可愛い!」
「はいはい、愛実もかわいいよ。」
「いやいや、いつもスカートにすればいいのに、もったいなーい。」
明日香は、身長が少し低く(155cm位?)童顔なせいか、似合うにもかかわらず、女の子らしい格好が嫌いらしい。
 「愛実も今日は珍しいね。ピンクベージュ。その色好きじゃないって言ってたじゃん。」
「さすが、雑誌編集者。よく覚えていらっしゃる。」
「職業関係無いでしょ。」
 
 パーティーに行く前に、少し腹ごしらえだ。
雑談しながら、適当なカフェにはいった。

 「その、服は愛実の趣味じゃないでしょ?同棲してる彼氏の好み?」
「まぁ・・ね。」歯切れ悪くなってしまった。
先週末の、事を思い出してしまった。

 情緒不安定で泣いてしまった夜の事とか。
明日は、掃除はする必要が無いだろうって、抱き潰された事とか。いやもうそれは、色々とね・・思い出してしまった。
「何、赤くなってんのよ?」
と、明日香に突っ込まれて、慌てて回想を止めた。

 「いや、あの、これは日曜日に一緒に買い物をした時に、彼が買ってくれたの。」
と、ピンクベージュのボウタイブラウスを摘みながら言った。
因みに、下は紺色レースのタイトスカートだ。

 「はいはい、仲がよろしいことで。」
彼女は呆れたように言い、店員さんを呼んだ。

 仲は良いんだろうけど、はぁー。
昨日の綺麗な女性が気になる。
あれは、元カノってやつか?
はぁー。あれは、寄りを戻したそうな雰囲気だったなぁ。
「どうしたの?暗い顔して。溜め息吐いて。」

「それがさぁ、ちょっと・・ね。気がかりな事があってさぁ。」

「えっ?何?もしかして、旦那さん絡み?」
「何か、テンション上がってませんか?明日香さん。」
「いやー、だってさぁ、・・人の軽い不幸はねぇ・・」
蜜の味だよねー、心で思っていたら、注文したワンプレートランチが運ばれてきた。