なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。

「朝、ごめんね。参加できなくて」


「べ、べつに…それは構わないけど…」



“あのさ。センパイ”と言って、長瀬が私を見つめてくる。



「俺、もう悪いことすんのやめる」



「……な…」


まるで、猫が擦り寄るみたいに私の肩に額を擦りつける長瀬。


「ちゃんとケジメつけてきた。だからさ…」



“……褒めて?”


耳元で聞こえる長瀬の甘えた声に、ギュッと心臓が痛い。


なんだこれは。


今、無性に長瀬の頭を撫でたい。


こんなのどうかしてる。


病気か。病気なのか。


不知の病でも患ったか私。



「……っあ…あんたが……!」



耐えきれず長瀬の体をつっぱねる。


「あんたが悪さしようがしまいが…、私には…関係ないからっ」


そう言い残して、不本意な体の火照りを感じながら、私はその場を走り去った。






***


「先輩!いよいよ明日はクリスマスイブですね!」


「そうね」


楽しげな様子の山下さんがクリスツリーの具合を確認しながら鼻を鳴らす。


「これなら明日の点灯式、大丈夫そうだな」


その隣で、金城くんがツリーの電飾をつけたり消したりして確認している。



うちの学校は、毎年24日の終業式の後、外が暗くなる夜の18時頃に点灯式を行う。