なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。

山下さんは怯えているし、きっとその方がいんだろうけど……。


でも、何でだろう?


いつもと違う長瀬をどこかほってはおけなくて……。


内心ひやひやしながらその様子を見守っていると。


「話なら他で聞いてやる。ツラかせ」


「は!上等じゃねーか!」


そのまま二人は先を歩いて行ってしまった。


「ちょっ…長瀬っ!どこ行くの!?」


そう呼び止めるも。


「センパイ。寄り道しねーで気を付けて帰れよ」


少しだけ私を振り返った長瀬はそれだけ言うと、男と一緒に駅前広場の雑踏の中へと消えていってしまった。










––––ザッザッザッ




「–––……さん」




––––ザッザッザッ




「おーい。花枝さん」


「え?あっ!うわぁぁ!?!?」


「あはは!大丈夫ですか?何かぼうっとしてましたよ?」



翌日の放課後。


ぼうっと宙に浮いたような頭の中、校門前のエントランスをひたすら掃き掃除していた私は、突然目の前に村田先生の顔が現れて、なんかのアニメみたいに心臓が口から飛び出しそうになった。


「だ、だだだ大丈夫です!!」