なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。

何かこの男、すごい感じ悪いんだけど……。


長瀬のヤツ、ホントろくな知り合いがいないな。


「こっわ。俺すげー睨まれてんだけど!何その女。お前のセフレかなんか?」


ギャハハという下品な笑い声。


さすがにカチンときて言い返そうとしたその時、長瀬が庇うように私とその男の間に入ってきて。


「黙れ。それ以上言ったら殺す」


そう言って、静かに男の喉元に手を伸ばした。


いつものぼうっとした長瀬の様子とはまるで違う様子に、ドクンと心臓が跳ねる。


こんな長瀬の顔、初めて見た。


まるで感情の読み取れない冷たい瞳。


長瀬のものとは思えないような低い声に背筋がぞっとする。


それよりもこの状況……もしかして、かなりやばいんじゃない!?


「長瀬!ちょっと…やめなさいっ!」


長瀬の腕を掴んで男から引きはがそうとすると、長瀬の腕が思ったよりも簡単に離れたから驚いた。


「ゲホッ……てめぇ、どうなるか分かってんだろうな?足を洗うつもりだか何だか知らねーが、そう簡単に抜けれると思ってんのか?」


ゲホゲホとむせながら男はすごい形相で長瀬を睨みつけている。


本当は今にもこの場から立ち去りたい。