なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。

道路を挟んだ反対側の道から呼び止められて、長瀬は動きを止めると同時にそちらを振り返った。


私も長瀬の背後に目を凝らす。


げっっ!!!


そこには、ツンツンに立てた赤髪にジャラジャラのピアス。


だぼっとした制服のズボンを腰履きしてそこに手をつっこんだ、まさにやんちゃ盛りといった装いの男子が立っていた。


ううわ!!絶対に関わりたくないタイプだ!!


そんな私の願いも虚しく、そのヤンキーは道を渡ってこちらにやって来るではないか。


「こんな所で何やってんだよ。お前、最近集まりに顔出さねーと思ったら、真面目に学校なんて行ってんだ?」


「…まーね」


長瀬の肩に腕を回し、嘲るように笑うその男に長瀬は面倒くさそうに返事をする。


何!?


長瀬の友達!?


「へぇ~。こんな地味なお友達作っちゃってまぁ。お前が悪い世界から足洗おうとしてるってマジな話だったんだ」


ニヤリといやらしい目つきで私達を見てくるウニ頭(頭がツンツンしてるから)。


ひっ!と言って金城くんの後ろに隠れる山下さんとは裏腹に、私はムッとヤツを睨みつけた。