なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。


あ。ほら、まただ…。


さっきから長瀬の隣を歩いているだけで、やたらとすれ違いざまに通行人が振り返える気がする。


しかも、小声で頬を赤く染めながら「あれ彼女かな?」とか、私までチラチラと見られて居心地が悪い。


いやいや。君たちの目は節穴なのかい?って真顔で言ってやりたいわ…。


しかも、振り返ってくるのは主に女子!!


そういえばこいつって、学校の中でこそ“ヤンキー”なんていう厄介な立場だけど、何も知らない人から見れば、モデルか何かに間違えられてもおかしくない容姿をしてるんだった。


性格のインパクトが強すぎてすっかり忘れてけど………うん。


黙っていれば…まぁ…。


美形っちゃ…美形……だよね……。



「何見てんの?」


うぎゃ!しまった!!


「み、見てないわよっ!」


「嘘だ。見てたくせに。何?ちゅーして欲しいの?」


「なっ…!あんたね!何でいつもそうなるのよっ!!いい加減にしなさいよ!?」


顔を近づけてくる長瀬の顔を押し退けながら必死に抵抗していると……。



「あれー?長瀬じゃねー?」