なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。

気付けば私は長瀬に、まるで子供のようにヒョイと抱き上げられてしまっていた。


「お、下ろしなさい!長瀬っ!!」


そう叫んではみるものの、長瀬は完全無視。


飾り付けをしていた他の委員の子達が私達を見ながら、コソコソと噂話を始めている。


その中には、さっきの爽やかボーイ浅木くんの視線もあって、何やら神妙な顔をしている。


うううっ…!

これじゃ、またとんでもない噂が流れてしまう……。



【3年の花枝咲希!今度はあの長瀬を脚立代わりに……!!】


やーめーろーーーーーっ!!!


「長瀬!とにかく下ろして!」


「この方が上の方付けやすくね?」


「いいっ !!大丈夫だからっ!!下ろしてっ!!」


ゆっくりと地面へ下ろされた私は、涙目でキッと長瀬を睨みつける。


何でコイツはいちいち目立つことばっかり…!!


だけど、そんな私をよそに、長瀬は顎に手を当てまじまじと私を見てきて……。


「……センパイって、案外いいケツして……」


–––––ゴンッ!!!




やっぱり、こいつに感謝なんてするのはもったいない。