なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。

もしそうなっていたら朝の仕事は私がやらなきゃいけないわけだし。


だから、今こうして向かってるわけであって、決して長瀬を見に行くわけじゃない。


決して。


断固違う。



そうひとり心の中で言い訳しながら、こそこそと校門をくぐる。


キョロキョロと辺りを見回してみるが、長瀬の姿は見当たらない。


ほーら。言わんこっちゃない。


やっぱり思った通りの根性無し。



「っくしっ」



ん?


くしゃみ?


音の方に目を凝らせば……。


っげ!!


竹箒を持って、うつろな目で鼻をすすっている長瀬の姿。


花壇の横の大きな桜の木が、丁度死角になっていて気付かなかったらしい。


「さみぃ……」


たまにフラッとしてはもの凄く眠たそうに、何度も何度も目をこすりながら花壇周りの枯れ葉を残さず綺麗に掃き上げていった。


この日だけじゃなくて、次の日も、その次の日も、その次の次の日も。


長瀬はだるそうに、だけど手は抜かず、私がやるべき美化委員の仕事を全て自分ひとりでこなしていった。








「私……何やってるんだろ……」