なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。

“みんな他に仕事あるって知ってて、けど面倒くせーからセンパイのそういうの利用してる。センパイ、本当は気付いてんだろ?”



気付いてるよ。


気付いてるに決まってる。


だけど、私はそれでいいんだよ。


余計なことして、私の中の“平和”が崩れてしまうよりずっといい。



「先生達がさ、最近長瀬が真面目に登校してくるって噂してたよ。前は退学も検討しなきゃならないくらい、本当どうしようもなかったって」


「そ…そうなんだ……」


私は、つい最近まで長瀬の存在を知らなかった。


だから、長瀬がそれまでどんな行いをしていたかなんて風の噂でしか知らない。



でも、そうなんだ。


本当どうしようもないやつだな。



まともに学校に来ていなかったから、私は長瀬という存在を知らなかったんだ。


「長瀬が登校してくるようになったのは、間違いなく咲希がいるからだよね?」


「……え?」


狐につままれたような顔で茉莉を見れば、茉莉はニコッと口角を上げる。


「今回の行動といい、私、ちょっと長瀬を見直したな。来たくもない学校に来るのも、だるい美化委員の仕事を全部やろうとするのも、全部咲希のためなんてさ。それってちょっといじらしくない?」