なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。


『分かる分かる!咲希ちゃんて、自分はみんなに好かれてるんだって絶対思ってるよね。じゃなきゃ、あんな目立つことばっかりしないだろうし』


『私、咲希ちゃんて苦手だな。学級委員だからって、色々指示してきて正直ちょっとうざい時ない?』


『そうそう!こっちはやりたくもないのに、自分ひとりはりきってる時あるよねー!』


『うわ!うざい!って思っても顔には出さないようにしてあげてるの気付いてほしいよー』


女子達はクスクスと笑い合ってる。


一方、そんな話を聞いてしまった私は、教室のドアの前に屈みこんで、体の底から湧き上がってくる感情で真っ赤に染められていた。


今までずっと当たり前のようにしてきたことが、こんな風に思われていたなんて……。


必要とされてるだなんて自惚れていた自分が、消えてしまいたいくらい恥ずかしかった。


次から次へと今まで私に向けられたみんなの笑顔が浮かんできて。


だけどそれが、全て裏のある真っ黒な笑顔に変わって……。


怖い……という感情で、全身が震えた。


みんな腹の底では、あんな風に思っていたんだ。


『……っ!』


最悪だ。


最悪だ最悪だ最悪だ。



私は逃げるようにして、その場から走り去った。