なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。


一方長瀬は、つまらなそうに目を細くして、青くなった私を上から見下ろしてくる。



「ずいぶん熱く語んね。あのセンコーのこと」


「そ…そんなことっ…」


「もしかして、センパイ。村田のことす


「わーーーっ!!わわわわーーっ!!今日も晴れだなあいうえおーーーっ!!」


「……。」


何言ってるんだ自分。キャラがブレブレだぞ自分。……っていう反省は、とりあえず帰ってからじっくりするとして。


とにかく、このクソガキヤンキーをどうにかせねば、私の身が持たん。


「…長瀬くん?ちょっといいかな?ついてきてほしい所があるの」


絶対零度の笑みでそう言うと、私は長瀬の手首をガシッと掴み、その場から連れ去った。








平和をこよなく愛する私には、


いや、平和をこよなく愛するがゆえ私には、誰にも言えない秘密がある––––。




「なー、センパイどこまで行くの?」


「屋上っ」


「なんで?」


「誰もいないからっ」


「……エロいことすんの?」


「するわけあるか。」


ノブを回して勢いよくその扉を開ければ、差し込んで来る、だいぶ西へと傾いた太陽の光。