なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。


は?


ちょって待て、お前。



「意味分かんない。何なのこれ?」


「俺、今日から美化委員だから」


「は!?意味分かんないってば!!何を勝手に!!そんなの認められるわけないでしょ!?」


「勝手じゃねーし。ほらココ」


長瀬は、更に私に紙を近付けると、ある一点を指さした。


そこには、確かに“村田”という美化委員顧問の先生のハンコが押されている。


嘘だろ?


まさか……。


嘘だと言ってくれ。


「ちゃんと、オッケーもらったし」


「あ……」


「あ?」


「あんた脅したんでしょうっ!?!?」


私は長瀬の胸ぐらに飛び付いた。


「…は?」


「村田先生がおっとりしていて、人が良さそうで、気が弱そうな事をいい事に何か卑劣な脅しをしたんでしょう!?じゃなきゃ、あんなに真面目でまともな考えを持った人があんたなんかとまともに取り合うわけがな……」


そこまで言って、私ははっと我に返った。


みるみる顔が熱を持っていく。


だけど直ぐにその熱は、血の気と一緒にサーッと引いていってしまった。


そんな私を山下さんと金城くんが不思議そうな顔で見ている。


「へーえ」