なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。


長瀬はどうしてこんなにやすやすと、私の心を満たしてしまうんだろう。


だから結局、こうして私は長瀬の優しい言葉に身を委ねてしまいたくなるんだ。


「……それにさ、先輩の大学共学じゃん」


「へ?ま、まぁ、そうだけど……っ!?」


完全に隙をつかれた。


長瀬が私の首にかぶりついてきたんだ。


「…ちょっ!長瀬っ!痛い!……っ」


いや、正確には噛みつかれ、吸いつかれてる。


こいつは吸血鬼かっ!!!


長瀬は、私の首すじからゆっくりと唇を離すと、真っ赤になった私の顔を覗き込んでくる。



「センパイの怒った顔とか笑った顔とか、こうやって困ってる顔も、他のヤツに見られるんじゃねーかって思うとすげーイラつく」


「ちょ…何よそれ…」


長瀬は言葉にした通りイラついてる様子で、目は完全に座わり、ヤンキーの覇気がだだ漏れている。


これは、もしそんな現場を目撃しようもんなら相手を地獄に送りかねない目だ。


「こんな風に俺の印つけたって、3日もありゃ消えるし。けど、離れてちゃすぐつけらんねーし。なんの牽制にもなんねぇ…。センパイに村田とか春斗みたいなフワフワしたヤツが近づいてくんじゃねーかって、死ぬほど不安」