なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。


あぁ何だろこれ。


胸がぎゅうって苦しい。


だけど、愛しいって思う。


私、誰かをこんな風に想ったことないんだよ?


長瀬はそれをちゃんと分かってる?


この想いが、離れてる距離になんて負けるはずないじゃないか。


この想いを、上手く言葉にできないことが凄くもどかしい。


本当はもっとちゃんと……伝えたい。



「……ねぇ、長瀬。ちゃんと話そっか」










やって来たのは、以前長瀬に連れてこられた“秘密の部屋”とやらだ。


相変わらず、一体どこで手に入れたのか分からない鍵を差し込みその扉を開けると、3人がけのソファーが置いてある部室のような部屋が私達を迎えてくれた。


ここに来るのは二度目だけど、やっぱり何か悪いことをしているみたいで、中に入るのに躊躇してしまう。


「センパイ。入らねーの?」


だけど、ここなら寒さも防げて二人きりになれる。


今日みたいな大切な話をするのなら、きっとここはもってこいの場所だ。


私は意を決して中に入り、部屋の鍵をロックした。


ソファーに深く腰をかけた長瀬の隣に、ちょこんと座る。


話そうとは言ったものの、いったい何から話せばいいのやら。