なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。


長瀬とはあれから顔を合わせていないし、連絡をすればいいのかもしれないけど、生憎、普段から長瀬とスマホ上でやりとりするなんてほとんどないから、私にはハードルが高い。


こんなこと言ったら、また茉莉に怒られそうだけど。


とにかく、今日は委員会もないから諦めて帰るしかないか……。


下駄箱で靴を履き変え、昇降口を出ると……。


「あ」


腕を組み、壁に背中を預け佇んでいる長瀬と目が合った。


「な…何してるの?」


「…センパイ待ってた」


長瀬の口から吐き出される息が、今日の寒さを物語っている。


雪は今朝より大分溶けているみたいだけど、生徒達があまり歩かないような場所には真っ白な雪が溶けずに残っていた。


先に帰らず待っててくれたんだ……。


しばらく口を聞いてもらえない可能性も考えていたから、何だか嬉しい。


ほっとする。


そう思ったら、赤くなった長瀬の頬になわば無意識に手を伸ばしていた。


「バカ。こんなところで待ってたら風邪引くでしょ」


「頭冷やすには丁度いーし。

ふ。センパイの手、あったかいね」


両手で長瀬の頬を包み込むと、気持ち良さそうにその体温を味わう長瀬が、私の手首にそっと手を添えた。


冷たい……。