なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。


まるで犯人でも追いかけてる警察官みたいに茉莉がそう言うと、金城くんも山下さんもうんうんと真剣な顔で頷いている。


なんかこの人達、楽しんでない?


「忘れてた私が言うのもなんだけどさ…。これって、そんなにショックを受けること?」


拗ねたように唇を尖らせそう言うと、3人は私を見て固まる。


それから、同時に大きなため息をついた。


何よ!


言いたいことがあるならハッキリ言ってよ!


「だって!別れるって言ってるわけじゃないんだよ?確かにすぐに会える距離ってわけじゃないけど、大きな休みには毎回帰ってくるつもりだし!それも、たった4年じゃない!」


昔みたいに、電話もろくにできない時代とは違うんだ。


近くにいなくたってどうとでもなる。


そりゃ頻繁に会えなくはなるから、少しだけ寂しい気もするけど、その気持ちは会えた時に消化すればいい。


大体、今から志望校を変えるわけにはいかないんだから、四の五の言ったってしょうがないじゃない。


それを聞いた茉莉は、珍しく真剣な様子で私を見つめてくる。


「はいはい。それは、咲希の考えね。みんながみんな、そんな理論的に物事を考えられるわけじゃないんだよ。人にはそれぞれ“感情”ってもんがあるんだから」