そして、お母さんに背を向けて…。
「……了解。まぁ…また、適当に誘って」
そう言うと長瀬は、スタスタと歩いて行ってしまった。
*
春の声が聞こえてきそうなポカポカとした日向の河川敷を、長瀬と二人並んで歩く。
長瀬はあれから色々と思うところがあるようで、何を話すわけでもなくずっと遠くを見つめている。
そんな長瀬の様子を盗み見ながら、今さらだけどある不安が胸をよぎってくる。
「あ、あの…長瀬……」
服の袖を引っ張ると、長瀬は足を止め私を振り返った。
「なんか…余計なこと言っちゃってごめんね」
よく考えたら、人の家庭のことに口出すとか、どんなご身分だよって話だ。
そもそも、長瀬がどう思ってるか分からないっていうのに…あんな勝手なこと……。
余計なお世話って、きっとこういうことを言うんだよね。
悶々とそんなことを考えていると。
「…ぶはっ!!」
長瀬が突然吹き出した。
え?何?
私、何で笑われてるの!?
長瀬はお腹に手を当て、声を殺して笑っている。
「……やべぇ、腹いてぇ。せっかく笑わねーように堪えてたのに、思い出させんなよ」



