なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。


「これからも、あの子をよろしくお願いします」


そう言って、とても穏やかな笑みを浮かべた。


「こ、こちらこそっ!」


長瀬のお母さんは、こんなにも長瀬のことを想っているのに、このままでいいのかな?


長瀬はお母さんをどう思ってるんだろう?


もしも、長瀬が何か誤解しているのなら、このままなんて悲しいよ。


何で想いを伝えるって、こんなにも難しいんだろう?


“好き”だとか、


“大切”だとか、


すごくシンプルなことなのに。



コトンとお皿を置く音で、はっと我に返る。


「センパイチョコのケーキでよかった?」


長瀬が、私の分のデザートを私の前に置いたんだ。


長瀬の顔を見たら、何だか無性に泣きたくなった。


それを隠すように「うん。ありがとう」と言って、私はそれを口に運んだ。









「今日は楽しかったわ。歩も喜ぶし、咲希さんまた一緒に食事でもしましょうね」


「はい!ぜひ!!」


ホテルを出て、私達はそのまま帰宅するという長瀬のお母さんと歩くんを、車が置いてある駐車場まで見送りにやってきた。