なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。

「歩ができて、再婚をして、渉くんに対して余計にそういう気持ちが強くなってしまってね。歩には普通に接しているのに、渉くんにはどこか遠慮しているみたいな接し方になってしまって…」


長瀬のお母さんは、さっき見たのと同じ寂しげな笑みを浮かべて、視線をコーヒーへと落とした。


「渉くんが家に帰らなくなってしまったのも、私を避けているのも、きっとそのせい。私が彼の居場所をなくしてしまった」


長瀬のお母さんは“母親失格でしょ”と言って笑った。


そっか。


長瀬のお母さんは、長瀬を想うあまりに彼への接し方が分からなくなってしまったんだ。


だけど、長瀬はきっとそれが寂しかったのかもしれない。


ヤンキーなんかになったのは、もしかしたらお母さんにめいっぱい叱ってほしかったのかな?


なんだ。


こんなの誰も悪くないじゃん。


「でもね!だからこそ、今回こうして一緒にランチをしてくれるなんて思ってもみなくて、すごく嬉しかったの!さっきのあの子の行動や表情を見ててすぐに分かった。咲希さん。あなたのおかげ」


長瀬のお母さんは、そっと私の手をとると。