心の中での葛藤の末、長瀬の視線から逃れるように、ゆっくりと顔を背けてしまう私。
む…無念…。
「やり。目逸らしたから、センパイの負け」
「……っ!?」
はぁ!?
あんたは小学生かっ!!(←負けず嫌い)
「俺が勝ったし、好きにすっから」
「…なっ!?」
「また来んね。センパイ」
–––––––ちゅ。
……………は?
ヘッタクソな口笛を吹きながら、気怠そうな歩き方で去って行く長瀬。
私は震える手で、違和感を覚えた自分の頬に触れる。
あいつ……今、頬にキスしなかったか?
いや…しやがったよな?
ク…ク…
クソガキがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
その後の体育のバレーは、壁にぶつかり、ネットに絡まり、他人の尻にレシーブをするという散々な結果だった事は、言うまでもない。
*
「もう付き合えばいんじゃねーの?」
「金城くん。興味ないのは分かったから、適当はやめて」
その日の放課後。
私は、美化委員の仕事その1にあたる、校内清掃を行っていた。
今日の場所は、中庭である。



