「い、いえ、そんな…」
「今日は楽しみましょうね!」
長瀬のお母さんは、笑うとやっぱり長瀬に似てる。
なんだか、想像してた印象とは大分違ってて驚きだ。
長瀬がヤンキーになんかなった原因にお母さんがあるとするなら、もっとこう…子供に無関心な感じのお母さんを想像してたのに。
今目の前にいる彼女は、まるでそれとは対照的だ。
ほんわかした柔らかい空気に包まれていて、長瀬や弟の歩くんを見るその目は、とても優しくて温かい。
“お母さん”の目だ。
長瀬がヤンキーになった原因に、お母さんは関係ないのかな?
「センパイ、そのパスタ俺にもとって」
「うわぁぁ!」
急に後ろから現れた長瀬が私の肩に顎を乗せてきて、驚きのあまり危うく取り皿をトレイごと落とすところだった。
「あぶねー。つか、驚きすぎじゃね?」
「あんたが急に現れるからでしょ!!」
「センパイおせー。まだこんだけしかとってねぇの?ビュッフェなめてんの?」
「う、うるさいな!わけ分かんないし!ってか、あんたはそれとりすぎ!とったの全部食べれるわけ!?作った人に失礼なんだから残しちゃだめよ!」



