なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。


「いやいやいやいや、そんなわざと褒めたってダメだよ?絶対ダメ。すぐに着替え…」


「何言ってんの?」


私の両肩をガシッと掴んだ茉莉は、真っ黒な笑みを浮かべながら顔を近づけてくる。


怖っ!!


「ねぇ?まさか長瀬との初デート、バックレようとしてないよね?まさかだよね?」


「ちょ…そのこと何で知って…」


さらにズズイッと近付いてきた茉莉の顔は、もはやホラーで…。


「やっと、ほんっっっとにアホかと思うくらいじれったかったあんた達がやっとくっついたってのに、初デートまでバッッッカみたいに焦らすとか、そんな親友泣かせなことしないよね?ねぇ咲希?」


「う……は…はい……。しません……」


「じゃあ、とっととさっさと行ってこいや」







てなわけで、仕方なくとぼとぼと駅までやってきた。


くそー。完全に茉莉の迫力に負けたー。


駅構内にあるパン屋さんのディスプレイに、肩を落とす自分の姿が映る。


さすが美容師志望。


普段地味な私をここまで変身させてくれたんだ。


腕が確かなのは認めるけどさ。