校長先生に言われるがまま、恐る恐る頭を上げると、そこにはニコニコと笑みを浮かべた校長先生が微笑ましそうに私達を見ていた。
「どうだろう?教頭先生。卒業まで、二人を信じて見守ってみては」
「で、ですが……」
教頭先生は迷いの色を浮かべる。
「近頃、教師達の間でも、長瀬くんの生活態度の変化はたびたび話題になっていたんだよ。以前と比べ、しっかり登校してくるようになったし、悪さをしているという噂も聞かなくなったしねぇ。それはどうやら、花枝さんの影響だったのかな?」
「い、いや…それは…どうなのでしょう…」
校長先生にニコニコとした笑みを向けられ、私はつい照れくさくてもじもじしてしまう。
「私は何もしていないんです。本当に。変わろうと努力しているのは、長瀬なので…。それに、私こそ…長瀬に感謝してる部分がたくさんあって……」
目立つことを恐れて、全部一人で背負おうとしていた私の荷物を一緒に背負おうとしてくれた。
先生に失恋した時も、長瀬が側にいてくれたから前に進めた。
過去に囚われて、平和や平凡を壊さないよう窮屈な場所で生きてきた私を、その場所から連れ出してくれた 。



