だけど……私はそんな自分が、案外嫌いじゃないのかもしれない。
頭を下げたままの長瀬の隣へと歩みを進める。
「花枝さん…?」
そして、不思議そうに瞬きをする校長先生を真っ直ぐと見据えて。
「私は、私の意思で長瀬と付き合っています!そして、これからも別れる気はありません!合格が取り消しになるのなら、それでも構いません!だから…」
深く、深く、私も長瀬と同じように頭を下げた。
「長瀬と一緒にいさせてください!」
しんという音が聞こえてきそうなほど静かな校長室。
カチコチと時を刻む時計の音だけが響く。
その空気に耐えかねて、長瀬の方をチラッと確認すると、思いもよらず目が合ってしまった。
慌てる私に長瀬は目を細め、柔らかい笑みを浮かべる。
久しぶりに見た長瀬の笑顔が何だか嬉しくて、涙が込み上げてくる。
あぁ…私、長瀬が好きだ。
すごく好きだ……。
「ほっほっほっ。なんだか、まるで娘を嫁にやるみたいですねぇ」
愉快そうに笑う校長先生の声が静けさを破り、張り詰めていた校長室内の空気を変える。
「頭を上げなさい。二人とも」



