なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。


すると、長瀬がゆっくりと口を開いた。


「付き合ってねぇ」


「え、え?」


「付き合ってねぇから」


震えている教頭先生が目を見開く。


「そ、そんなわけっ…!!事実、私はこの目であなた達が…!」


「俺がこんな真面目な女に本気になるわけねーだろ。ただ、おもしれーからからかっただけだし」


長瀬……?


長瀬の視線が、ゆっくりと校長先生の方へと向く。


「センパイが嫌がってるのを、俺が無理矢理しただけっすから」


それだけ言い残すと、長瀬は私達に背を向け、校長室を出ていってしまった。


「ほ、本当なんですか!?花枝さん!」


長瀬のとった言動に呆然としていれば、同じく呆然としていた教頭先生が我に返ってまた私を問いたざしてくる。


「……っ、そ、それは…」


すぐに否定しようとしたけど、それより先に校長先生の言葉がそれをさえぎった。


「まぁ、長瀬くんもああ言っていますし、取り敢えず今回の件は様子を見るとしましょうよ。教頭先生」


「で…でも……」


「花枝さん。もういいよ。行きなさい」


校長先生は長瀬を追いかけろと言わんばかりに私を急かして、教頭先生にばれないよう意味深にウインクをしてみせる。