なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。


「そ、それは…、場合によっては合格取り消しも有り得るということでしょうか…?」


不安げにそう聞き返す私に、応えたのは校長先生じゃなく、教頭先生だ。


「そうなっても仕方ないということです!この長瀬という生徒は、まともに授業も出ず、こんな身なりで、様々な問題を起こしている問題児ですよ!?そんな生徒と男女交際しているあなたをどう推薦しろと言うんですか!?」


「教頭先生。落ち着きなさい」


「校長先生は甘いんです!私は、この二人が卑猥な行為をしているのをこの目で見たんですよ!?これが落ち着いていられるもので…



–––––––ガンッ!!



校長室内に響く鈍い金属音。


教頭先生が「ひぃっ!」という悲鳴を上げて手で口を覆った。


校長室に置かれたパイプ椅子が、教頭先生の前でひっくり返って転がっている。


「長瀬…?」


長瀬を見て、すぐに長瀬が蹴飛ばしたのだと分かった。


長瀬の鋭い視線が、教頭先生を捉えていたからだ。


「長瀬くん。物に当たるのはいけませんよ」


至って冷静な校長先生の声が、しんとした空気をやぶる。