なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。


今も、朝日よりも眩しいキラキラした笑顔で顔を覗き込まれてるけど、寝不足の私には眩し過ぎて目の奥がズキズキする。


ちょっと顔を近づけないでくれたまえ浅木くん。


クマが尋常じゃないんだよ今日は。


「あっれぇ?おかしいな。先輩、目の下にクマがある」


不思議そうに首を傾げる浅木君の手が、私の頬に伸びてきた瞬間。


「わっ!」


グイッと肩を引かれ、私は後ろへとバランスを崩した。


「触んな」


倒れそうになった私を受け止めたのは。


「な、長瀬っ…!」


長瀬は私を胸に抱いたまま、自分の手の甲で浅木くんの手を払いのけるようにして、威嚇ともとれる視線を向けている。


そして、なぜだか浅木くんもいつもの爽やかフェイスとは打って変わって、冷ややかな目で長瀬を睨んでいた。


そ、そっか。


朝の清掃、長瀬も参加してたんだ…って関心してる場合じゃない。


なっ…何この状況…。


どういうこと?


何なのこの2人。


メチャクチャ火花散ってるんだけど!!


私の目は、オロオロと2人を行ったり来たり。


でも、そんな私なんてまるで視界に入っていないようで2人は静かに睨み合っている。


そんな中、口火を切ったのは浅木くんだ。