2人はまるで絵に描いたようにお似合いで、カップルのように寄り添いながら校門を出ていく。
その2人を見た瞬間、胸のあたりに違和感を感じた。
頬を撫でる冷たい風のせいなのか。
何だか無性にひとりぼっちが寂しく感じて、冷たい空気を感じる肌が温度を求めて疼く。
何とも言えない気持ちが胸いっぱい広がって…。
つい胸に手を当て、首を傾げた。
***
次の日。
今日は朝の校内清掃を2年の委員の子達に任せて、私は通常通り登校した。
「先輩。おはようございます」
そんな私をエントランスで待ち受けていたのは、2年委員の浅木くん。
今回、朝の校内清掃を買って出てくれた張本人だ。
「おはよう。浅木くん。今日は早くからありがとうね」
「いや、俺ら本当に今まで何もやってなかったんで。毎日だってしたいくらいですよ。先輩、今朝は少しくらい長く寝られました?」
クリスマスツリーの準備の時、山下さんが言ってた。
浅木くんは、1年の女子にまで人気の高い、いわゆる校内の王子様的存在らしく、確かにそれも頷ける程の美貌をお持ちだ。



