なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。


***



ところが、その日の放課後。



「っつーことで、今日は委員会出れねーから。ごめんね、センパイ」


「………」



先にエントランスの掃き掃除を始めていた私に、声をかけてきたのは長瀬だ。


だけど、私の視線はそこじゃない。


長瀬の腕に自分の腕を絡めて、勝ち誇ったような上目遣いで私を見る山吹さんとバッチリ目が合っていた。


「センパイ?聞いてる?」


「えっ…あ…き、聞いてるよ!これからクラス会…だっけ?」


「そう。別に出たくねーんだけど、出ねーとクラスのヤツら家までおしかけて来そうだから。明日は手伝うから、仕事とっといて」


へぇ。


長瀬のくせにクラスに打ち解けてるんだ。


家までおしかけてきそうってことは、誘われたのかな?


今までならみんな、触らぬ神に祟りなしって感じで、絶対に長瀬なんて誘わなかったはず。


それもこれも長瀬を取り巻くオーラってやつが、柔らかくなったせいなんだろうか。


相変わらず髪は金髪だけど、少しはまともになってきた証拠か。


「あー…ほら。委員会の方は気にしなくていいから。ハメだけは外さないように。楽しんできて」