ちらりと長瀬を見る。
案の定、バチっと目が合ってしまって「うっ…」と息が漏れる。
「…………しようか?電話……」
「あ?」
「あー……ほら、あんたの……親御さんに………」
長瀬の親御さんとか…なぜかすっっごく緊張するけど…。
いやでも大人になれ咲希!
責任!
年上には責任ってのがあるんだろ!?
「はっ」
「!?」
そこにいた長瀬以外の全員が目を向いたと思う。
突然長瀬が破顔したのだ。
「〜〜〜〜〜何よっ!」
楽しそうに笑いやがってこの野郎。
あんたが笑うとこ、見たことあるの私くらいなんだからね!
みんな宇宙人にでも遭遇したみたいな顔してるじゃん!
「…っくく…ウケる…」
「ウ、ウケてるのあんただけだからっ!」
「いらねーよ」
「え?」
長瀬は、目尻に溜まった涙を拭い、ふーと大きく息を吐く。
「連絡。うちの親は、俺がやることに文句言えねぇから」
「え?…それってどういう……」
そう聞こうとして、私はグッと言葉を詰まらせた。
気のせいかな?
遠くを見る長瀬の瞳が、どこか寂しそうに見えたのは……。



