なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。

暗くてよかった。


今私きっと、顔がものすごく赤くなってる。


「あ、ありがとうっ」


そう言えば長瀬は、無表情で私の頭をくしゃりとなでて、また前を歩き出した。


「へーえふーんへーえ」


隣に顔を向けると、茉莉が分かりやすくニヤニヤとした顔で私を見ていた。


「何よ」


「いーや?何か、ずいぶんいい雰囲気だなぁ〜って」


「は!?どこがっ!」


バカ言ってるんじゃないとじろりと睨むも、茉莉はそんなのものともしない様子で私に「あんたさ、ちゃんと気づいてる?」と言って腕を組み、耳もとに口を寄せてきた。


「さっきから長瀬が、何でずっと咲希の前歩いてるか知ってる?」


「何でって…。単にあいつの足が速いだけでしょ?」


そう言うと茉莉の眉間に深いしわが寄る。


「あんたさ?この人混みの中、何とか前に進めてるの、不思議だと思わないの?」


「え?どういうこと?さっきからよく意味がわからないんだけど…」


「本当に鈍いなぁ咲希は。長瀬があんたの前を歩いてくれてるから、道ができてるんでしょ!!」


……え?


言われてみれば……。