そこまで言いかけると、金城君の視線にビクリと肩が上がる。
『え?なに?花枝来ないの?そんなわけないよな』
『え…私は…その…』
顔は笑ってる。
だけどこの人、目の奥が笑ってない。
背後に何か黒いものが見える。
おっと。悪寒までしてきたぞ。
『まさかと思うけど、自分は先に受験戦争から開放されたからって、これから受験する俺の合格祈願なんてするつもりはさらさらない…なんて、花枝はそんな冷たいヤツじゃないもんな?』
『あ…え…でも…』
『じゃないよな?』
『…………………はい』
*
というわけで、今に至るわけだが。
薄々勘づいてはいたけど、金城くんて絶対ヤバイ人だ。
あんな笑顔に殺傷能力をもつ人間はそうそういるもんじゃない。
そういえば、いつだったか委員の仕事中長瀬に『長瀬と金城くんて、仲いいの?』って聞いたことがある。
だって、校内にあんまり長瀬とまともに話す人なんかいないし。
それにしたって、長瀬も金城くんには懐いてるというか、警戒網を解いているというか。
そんな質問に長瀬は。
『ああいう人間は敵に回さないに限るから』
って、わけの分からないことを言っていた。
『え?なに?花枝来ないの?そんなわけないよな』
『え…私は…その…』
顔は笑ってる。
だけどこの人、目の奥が笑ってない。
背後に何か黒いものが見える。
おっと。悪寒までしてきたぞ。
『まさかと思うけど、自分は先に受験戦争から開放されたからって、これから受験する俺の合格祈願なんてするつもりはさらさらない…なんて、花枝はそんな冷たいヤツじゃないもんな?』
『あ…え…でも…』
『じゃないよな?』
『…………………はい』
*
というわけで、今に至るわけだが。
薄々勘づいてはいたけど、金城くんて絶対ヤバイ人だ。
あんな笑顔に殺傷能力をもつ人間はそうそういるもんじゃない。
そういえば、いつだったか委員の仕事中長瀬に『長瀬と金城くんて、仲いいの?』って聞いたことがある。
だって、校内にあんまり長瀬とまともに話す人なんかいないし。
それにしたって、長瀬も金城くんには懐いてるというか、警戒網を解いているというか。
そんな質問に長瀬は。
『ああいう人間は敵に回さないに限るから』
って、わけの分からないことを言っていた。



