何…。
何か怖いんだけど……。
『31日に明神大神社で初詣しようと思ってんだけど、お前らも一緒に行かねぇ?山下は一応OKだったんだけど』
『え』
『そりゃあ、金城先輩のお誘いですもん!断るわけないじゃないですか〜!!地獄への誘いだってついていきすよ!!』
明神大神社といえば、ここら辺では知る人ぞ知るそこそこ有名な神社で、私も去年は家族で受験の合格祈願をしに行ったっけ。
今年も一番下の弟が高校受験を控えているから、また家族で初詣に行くつもりでいたんだけど…。
チラッと長瀬を見れば、あちらも私の様子をうかがっていたのか、思い切り目が合ってしまって慌てて先に目を逸らす。
いやいやいやいや!
長瀬と初詣とか無理っ!!
いくら金城くんと山下さんがいても、隙をついて何してくるか分からないもん!
『いーよ。咲希センパイ行くなら俺も行く』
『お。長瀬案外ノリいいなぁ』
『別に。なんもすることねーし』
金城くんの持つバケツの中に、雑巾を放り込む長瀬。
『ちょっと待ってよ!私、行くなんて一言も言ってないし!むしろ行くつもりなんてな…』