『あー!ゲフンゲフン!ゴッホゴッホ!ママママママー!!』


『……言われたくねーなら聞くなよ』


……そう。


こいつはついにやりやがったんだ。


私のファーストキスだけでは飽き足らず、ついにセカンドキスまで奪いやがった。


クリスマスの雰囲気を利用した巧妙な手口にまんまとハマった(肉まんにつられた)私は、これ以上こいつに関わるのはよそうと、本気で思い始めていた。


このままだと、本気で貞操の危機を感じる。


落ちるとこまで落ちて引き返せなくなってしまう気がする。



そもそもこの男……。どうやったらこうも図々しく、付き合ってもいない相手にどうこうしようと思えるんだ。


コイツの脳みそはショッキングピンクの上にハート型に形成されてるんじゃないかって本気で思う。


『で?あいてんの?あいてねーの?31日』


『あいてません。というか、あいてたら何』


『センパイと一緒に年越してぇなって』


『!?』


私の指先にちょんと触れる長瀬。


甘えたような上目遣いに、ぐっと喉がなる。


だめだ!!


コイツのこの作戦に引っかかるわけにはいかない!!