「……っ!っ!」


長瀬の胸を押しのけようと手を突っぱねる。


だけど、その抵抗も虚しく、長瀬に手首を掴まれてしまった。


唇を食むような長瀬のキスに、ついていくのがやっとの私。


待て待て。私、何受け入れてんだ。


そう思うのに、長瀬を突き放せない。


長いキスの後、名残惜しそうに離れていく唇。


お互いの唇から零れた白い息が、混ざり合う。




頭が真っ白で、瞬きを繰り返す私の目尻に浮かぶ涙を、長瀬がキュッと親指で拭う。



「センパイ。メリークリスマス」



ペロッと舌で自分の唇を舐める長瀬。


ようやく思考回路が戻ってくる私。



それと同時に、体中の血液がグツグツと沸騰し始める。


こいつ………。


こうも易々と……2回目のキスを………。



––––––ガッ!



「返せぇぇぇ!!!2回目のキスッッッ!!!!」


「は。無理だし」


長瀬の胸ぐらを掴んで振り回す。


珍しく顔をクシャクシャにして笑ってる長瀬。


むかつくむかつくむかつく!


熱くなる体がむかつく!


高鳴る鼓動がむかつく!