なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。


「花枝さん。準備は大丈夫ですか?」


パテーションの外からヒョッコリと顔を出したのは村田先生だ。


「だだだだ大丈夫です!」


油をさしてないロボットみたいに立ち上がった私を見て、村田先生が破顔する。


「先生ヒドイです…」


「ごめんごめん!花枝さんあまりに緊張してるから!」


口元を押さえ、喉を鳴らして笑う先生に赤くなって恨めしい顔を向けていれば。


「それじゃあ、よろしくね。花枝さん」


そう言って先生は優しく微笑んで、クシャッと私の頭をなでて行ってしまった。



心地よく音を立てる鼓動。


長瀬の時なんかとは大違い。


いたたまれなくなるような、逃げ出したくなるような、苦しくて息が吸えなくなるような。


そんな気持ちになったりしない、優しい鼓動。



うん。


間違いないよ。


やっぱり私が好きなのは、先生だ。











「無事に点灯式が終わってよかったですねー!」


「花枝ガチガチだったな」


「金城くん。うるさいよ」



点灯式を終え、校内の開放時間も残すところ後わずか。


イルミネーションを見るために集まった生徒達も解散し、大分まばらになってきた。