なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。

完全に、長瀬の存在に気付いている。


いやいや。


そりゃこんな派手に金髪にしてたら気付かれもするでしょーよ!!


今ほどコイツの金髪を刈り上げてやりたいと思ったことはない。


「金城くん!山下さんを連れて先生達を呼びに行って!」


「了解」


「え…で、でも!」と戸惑う山下さんの手を引いて金城くんは校舎の方へと駆けていった。


山下さん達を巻き込むわけにはいかないもんね。


ほっとした気持ちでそれを見送っていると。


「何してんだバカ。センパイも行けよ」


長瀬に小さく頭を小突かれる。


バカって何だ!


先輩に向かってほんっっとこいつはぁぁ!!


「私はここにいる」


「危ねーからダメ。早く行って」


突き放すように私に視線を向けず、男達を真っ黒な瞳で睨み見据える長瀬。


この前からそうだ。


こういう長瀬の姿を見ると心が落ち着かなくなる。


どこか遠くに行っちゃう気がして、無性にいたたまれない気持ちになる。


「センパイ早…


「行かないって言ってるでしょ!!!!」


真っ黒だった長瀬の瞳に色が戻って、驚いたように見開いた目が私へと向けられた。