なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。

なんだこれ。


何で私が少し罪悪感を感じてるんだ?


無性に言い訳したいこの気持ちは何?



“何でもない”そう言おうとして口を開いた。


–––その時。



–––––––ガシャーーン!!!!



ガラスが割るような耳をつんざく嫌な音が聞こえてきて、私達は慌ててそちらに目をやった。


校門前のエントランス。


何だか無駄にガラの悪い男が3人、金属バット片手に喚き散らしている。



「オラ!長瀬っ!出てこいっ!」



え!?


長瀬!?



「な、何であんた呼ばれてるの!?」


長瀬の服を引っ張って、ヒソヒソ声で慌ててそう聞けば。


「あー…ね。何でかね。この間のヤツの仲間っぽいけど」


え!?


「かっ…解決したんじゃなかったの!?」


「ね」


いや!“ね”じゃなくて!!


「咲希先輩!!や、やつらこっちに向かってきます!!」


怯えた表情で私達の向こう側を指差す山下さん。


慌ててそちらに目をやれば、山下さんの言う通り、金属バットを持った男達が目をギラギラさせながらこちらに向かってくるじゃないか。