「そうそうそれ!」
オレはがっくり、肩を落としてこめかみを押さえた。
「ナディアが、言ったんですか。オレの元カノだって?」
「そうじゃないの? 少なくとも、奈央はそう思ってたけど」
——ミス・トレヴィスって……拓巳の知り合い?
——きれいな、人ね。
——わたしより先に、ナディアさんに会ってたじゃない。
あぁそうか。奈央さん、あの時もうナディアから何か吹き込まれてたのか。
あいつ、なんでそんなデタラメ……っ!
くそっ……!
オレの……せいだ。
とにかくまず誤解を解こう。
オレは相馬さんの脇をすり抜け、病室のドアを開けようとした。
ところがそれより一瞬早く、
ドアは向こう側からスルッと滑るように開いた。
中から出てきたのは……大柄のスーツ姿の男。
え……? こいつは。
昨夜奈央さんと一緒にいた、新条……和馬、とか言う……


