……誰の、何、だって?
元カノ?
誰のことだ?
「誰のことだろう、とか思ってるんじゃないでしょうね?」
「いや、思ってますけど」
「いっぱいいすぎて思い出せないってわけ?」
呆れたような口ぶりに、オレはブンブン首を振る。
「ちっ違いますよ。その反対。オレ、ちゃんと恋人としてつきあったのって、奈央さんが初めてだから」
「は!? あのねえ、こんな時に冗談言ってると殴るよ?」
「いや、冗談じゃないですって。そりゃ、確かに遊んでたことは認めますけど。一晩だけとか、そんな感じで」
恋人だと、ちゃんと周りに紹介できるような人は、奈央さんが初めてだ。
「じゃ、あの女はなんなのよ? あの赤毛の背の高い美女。ナ、ナ、なんとかいう」
赤毛……背の高い……
まさか……
「……ナディアですか?」


