ヴァージンロード <続>Mysterious Lover


「ここんとこ奈央、新規の案件一手に引き受けて、フル回転でがんばってたから」

「なんで……そんな無茶させたんですか」
オレが、思わず責めるように声を絞ると。

「……誰のせいだと思ってんの?」
バナナも釘打つんじゃないかっていう、絶対零度の冷たい目がオレをにらんでいた。

「奈央が、ぶっ倒れるまで仕事に打ち込んでるのは、どうしてだと思うの?」

「え……?」
オレは混乱して言葉を失った。

「仕事して、忘れたいからじゃない。不安を、忘れたいから!」

不安……?

「金婚式迎えた熟年夫婦じゃあるまいし。恋人と遠く離れて、ろくに会えなくて、平気な女の子、いると思う?」

あ……

「どんなに仕事に命捧げてますってキャリアウーマンだって、サイボーグじゃないのよ。生身の女なの! 不安になるでしょ!? 当たり前じゃない!」

オレは、息をのんでその言葉を聞いていた。
奈央さんは、遠距離とか平気な人なのかと思ってたから。
ワーカホリックだって、自分でも言ってたし。