ヴァージンロード <続>Mysterious Lover


わずかに遅かった、リング。
手に入らなかった、リング。

彼女との関係も、もしかして……そんなことになったりしないよな?
オレが、逃げてばかりいたせいで……。

雑踏に押されるように足を前へ運びながら、灰色の予感を何度も打ち消した。

その時。
ポケットの中でスマホが振動した。

奈央さんかと思って急いで取り出すと、
ディスプレイに表示されていたのは……相馬翠(そうま みどり)。
オレも前にお世話になったことがある、奈央さんの同僚だった。

「はい、相馬さん? お久しぶりで」

『カメちゃんっ! 日本に帰ってきてるってほんと!? 今どこなの!?』
一方的に弾丸のように放たれた言葉に面食らいながら、オレはあたりを見回した。

「えっと……新宿の……」
どこって言えばわかるだろう?
言葉を探していたオレの耳に、緊張をはらんだ声が突き刺さった。


『すぐに来て! 奈央が倒れたの!』