ふと。
奈央さんの指が、オレの指に触れた。
そのわずかな、でも確かな温かさに励まされて。
深呼吸の後。
話し出した。
「実は……あなたに謝らなきゃいけないことがあるんです」
「謝る?」
オレは、包み隠さず話した。
奈央さんに伝えたことと同じ話を。
あの、誕生日の夜のこと。
工藤のこと。
隠した携帯電話のこと。
香澄さんは、黙って聞いていた。
話し終わって、オレは頭を下げた。
「自分が何をしたか、わかってるつもりです。ですから、娘さんの恋人として、オレがふさわしくないと思われるだろうってことも、覚悟してます。でも、これだけは……オレが奈央さんを真剣に想ってることだけは、わかっていただきたいんです。何度も……何度もあきらめようとしました。でも、どうしてもできませんでした。オレにとって彼女は、ずっと昔から変わらず、本当に特別な人だから」


