また、本当に……この人“かずくん”は。
「超が何個付けばいいんだってほど極度の恥ずかしがり屋で。
俺が近づいただけですぐ赤くなって。
そのくせ俺が撫でたら、ふにゃって警戒心も何も無い、安心しきった笑顔になるし。
……俺ばっかりが、好きなのかと思ってた」
……なんでこんなにも、私に惜しげも無く“好き”って言葉をくれるんだろう?
顔をほころばせながらも唇を尖らせる器用なかずくんに、私は慌てて両手を振った。
「違うよっ!私は、私こそ、本当に……!」
そんな私の様子をしばらく微笑ましそうに見ていたかずくんは、でも不意に大きく肩を落とした。
「……だよな。ごめん。
俺ほんとずるいし、卑怯だし……好きとか言いながら……」
2度目の謝罪と、それから、私には何のことだか、よくわからない独白。
私はとうとう首をかしげた。
「さっきから、かずくん『ごめん』ばっかりだけどどうしたの?」
「……いや。本当に、俺……こんな純真な彼女の前でクズな彼氏だな、と」
「えっ、えっ!?かずくん急にほんとにどうしたのっ!?」
突然自虐を始めたかずくんにあわあわとしていると、かずくんは私からそっと体を離す。
それから、私が渡した恋色の紙袋を握り締めくしゃりと言わせて……頭を下げた。


