チャラ男に恋なんて!?

「美久、俺と別れてくれないか?」
誰も居なくなった教室で、彼氏の耕司に突然別れを切り出された。
「えっ?何言って・・・」
「他に好きな子できたんだ」
悪びれる様子も無い。
そんな事言う為に放課後残ってほしいって言ったの?
「美久には、悪いと思うよ」
だったら何でそんな事言うの?
「他に好きな子って誰?」
私には聞く権利があると思う。
だってそうでしょ?
突然、こんな別れ話って酷いよ・・・
「優香・・・優香に告白されたんだ」
・・・優香に・・・?
優香は私の親友だよ?耕司知ってるでしょ?
優香も優香だよ‼私が、耕司と付き合ってるの知ってるのに・・・
「じゃ、そう言う訳だから」
耕司は、それだけ言うと教室を後にした。

何が何だかわからない。
私振られたの?嫌だ嫌だよ‼
私は、耕司が好きなんだよ?
まだ、帰りたくない。
教室に居たら、見回りの先生に合いそうだから屋上にでも行こうかな。

私は鞄を持ち屋上へ向かった。
ラッキーな事に鍵は掛かってなかった。
夕方、校舎が夕日に照らされてオレンジ色に染まる。
そんな景色が余計に切なく、私の心をかきみだした。
誰も居ない事を確認して、我慢してた涙を流した。
「ううっ・・・ふぇっ・・・」
泣いても泣いても、涙は枯れる事無く流れる。
このままじゃ、絶対目腫れるよ。
でも、涙が止まらない。
どうしたらいいの?
どうしたら、耕司の事忘れられるの?
私はこの日、彼氏と親友二人を失った。

その時人の気配を感じた。

「ねぇねぇ、何してんの?」
私に近付く一人の男の子。
その見た目はチャラ男だった。
「ねぇねぇ、何してんのってばー?」
しつこく聞いてくる。
今は誰とも話したく無いのに・・・
「うるさい・・・」
「ん?何?」
「ほっといてよ‼」
私は大きな声で叫んだ。
「ほっとけないよ?君、泣いてたじゃん」
「泣いてないし・・・とにかく、出ていってよ今は誰とも話したく無いの」
私は、チャラ男の背中を押し屋上の出入口まで追いやった。
チャラ男を追い出し、ドアに寄りかかりその場に座り込んだ。膝を丸め込んで顔を埋めた。


気が付くと辺りは真っ暗。
私、眠ってたんだ?
あれからどれくらい時間が経ったの?
重い腰を上げ鞄を持った。
早く帰らないと。あっ、鍵・・・・!
まず、職員室に行って鍵を貰わないと。
また、屋上に戻るのは大変だけど。

私が、屋上のドアを開き校舎内に入った時。
「もー、気がすんだ?」
と、声がした。
「えっ」
声がする方を見ると、壁に寄りかかって居るチャラ男の姿があった。
「!!!」
「もう、大丈夫そうだね?」
優しく話しかけてくるチャラ男に。
「何で、居るの!?」
私は、驚いた。
だって、あれから何時間って経ってるのに?
「ええー、それを言うの?」
チャラ男は、オーバーリアクション。
「まさか居るとは思ってなかったから」
私が屋上のドアを閉めて、チャラ男のもとへ行った。
「屋上の鍵、俺っちが持ってるんだよね~」
ん?鍵・・・そうだ!鍵を閉めなきゃって思ってたんだ。
「俺っち、君に屋上を追い出されてぇ〜。帰るに帰れない?状態でさぁ。ほら、鍵は俺っちが持ってるし」
・・・それじゃ、あれからずっとドアの近くで待っててくれたって事?
「ごめんなさい‼」
私は、チャラ男に頭を下げた。
「ぷぷっ、いーよいーよ?俺っち優しいから」
チャラ男は私の頭をポンポンとした。
「じゃ、鍵閉めるね?」
「はい、お願いします」
私は申し訳無かった。
「〜♪〜♪良かったね、閉め出されなくって?俺っちに感謝しなよ?」
チャラ男は鼻歌混じりにドアに鍵をかけ、私と一緒に屋上を後にした。

無事に鍵も返せたし後は帰るだけ。
チャラ男にもう一度、謝った方が良いよね。
「あの、チャラ男待っててくれてありがとう」
勢い良く頭を下げ靴箱の方へ足を向けたら。
「もう、遅いし送るよ?」
「いいよ、これ以上迷惑掛けれないし」
できれば、これ以上関わりたくない。
「暗いし危ないからさ」
その気持ちは凄く嬉しいけど、変な所を見られるは遅くまで待たせるはで、これ以上惨め姿見られたくなし、惨めな思いしたくない。
「大丈夫だから!!」
私はそう言って走って校門を目指した。


辺りはもう真っ暗。かろうじて、街灯の明かりがあるくらいだ。
携帯を見てみると、お母さんからのLINEが数件入ってた。

やばっ、連絡するの忘れてた‼
いつもは、こんなに遅くなること無いし、心配掛けてしまったかな・・・
よし、近道して帰ろう。
この公園を抜けたら近道だもんね。
夜は人通りが、あまり無いって聞くけど大丈夫だよね。
そうと決まったら善は急げだ。
私は、薄暗い夜の公園を抜けて帰る事にした。

街灯は、数メートル範囲で立っている。
にしてもだ、暗いんだよ‼
怖い、やっぱりいつもの道から帰ればよかった。
ぼや~っとではあるが、私の向かい側から二人組の男の子が、私の方へ近づいて来る。

「ねぇ、君一人?」
同じ位の男の子だ。
私が、逃げれないようにもう一人が後ろに回り込んだ。
どうしよう、怖い・・・
「危ないから、俺たちが送ってやるよ?」
「って言うか、俺たちと遊んでよ?」
「・・・」
怖さで声が出せない。
男の子たちは、私が何も言わないから腕を掴んできて、公園の奥に連れていこうとした。
「....や..嫌」
掠れそうな声を出すことしかできなく、辺りには誰も居ない。私このままじゃ、この人たちに・・・!!
抵抗したものの、相手は男の人。
女である私が敵うわけ無い。
「やっと、大人しくなりやがった」
「よし、奥へ連れてくぞ」
「今から、いいことしてやるからな?」
男たちは、ニヤニヤ不気味な笑い声を挙げた。
男たちに、両腕を掴まれもう駄目かと思った時。
「美久!!」
私を呼ぶ声がした。
気のせい?ううん、もしかして耕司が助けに来てくれたの?
でも、私の期待とは別に駆け付けて来たのはチャラ男だった。
期待した私が馬鹿だった、チャラ男を見た瞬間
私の中の何かが崩れ落ちた。
来て欲しかったのはチャラ男じゃないって。
チャラ男は、走ってきたのか額から汗が流れていて、息も切らしてる。

何で?どうして来てくれたの?
「おい、美久を離せ!」
チャラ男は、男たちを睨んで、私が無事かを確認する。
「おいおい、兄ちゃんよ?この子は、俺らが先に声かけたんだぜ?」
「そうそう、邪魔すんなって?それとも、一緒にヤるか?」
「君、美久ちゃんって言うの?可愛いじゃん」
男一人が、私の髪を手で触って自分の指に絡ませてきた。